6.南を目指してひた走る

いよいよアラスカを出て、カナダに入国する。

国境付近で、メキシコ人とのライダーと出会う。

彼のバイクは、僕の中古のKLRとは違って、当時最新のR100GS。
お金を持っていそうな匂いがする。

彼もダルトンハイウェイを目指しているとのことなので、情報交換をした。
「メキシコに来たら、ウチに寄ってくれよ!」
とのことで、彼の自宅のアドレスを貰う。

のちに彼の自宅に行ったのだが、あまりに立派な豪邸に、開いた口も塞がらない。
バイクはGSの他にも、日本車が1台と、ドイツ車が3台…。
ご馳走になった食事も、大層豪華で、食べきれなかった。

どうも、彼の実家はテキーラを造っている酒蔵らしく、世界中の呑兵衛が彼の家にお金を収めている、といった具合だろうか。

その日の夜は、搾りたてのテキーラでサルー(乾杯)!
翌日、酷い二日酔いのため動けず、連泊させてもらったのは言うまでもない。

道路工事、思わぬ被害

カナダに入国し、南に向けて走行中。

エドモントンを走っているとき、道路工事をしているところがあったのだが、
そのコールタールが、まだ固まり切っていなかったらしく、
リアサスペンションのロッドに付着し、オイル漏れがとまらない。

このスッカスカのサスペンションでは、とても走り続けられない。
困り果て、近くのバイク屋に駆け込む。

彼の名前はスコット。とりあえず彼に相談してみた。
すると、店にあった展示車から、サスペンションを外して、僕のバイクに移植してくれた。

おまけに、工賃を払おうとすると、要らないと断られてしまった。

なんてナイスな人なんだろう。
ありがとう、スコット!!

退屈な大国

ロサンゼルスを出発して以来、再びやってきた、アメリカ合衆国はサンフランシスコ。

ここまで山に川にと、大自然と共に旅をしてきたが、ここで目に付くのは、せわしなく行き来する人や車ばかり。
どこか日本と似た雰囲気を感じてしまい、なんだかつまらなかった。
特に感慨に浸ることもなく、さっさとこの地を後にした。

さあ、次はいよいよメキシコだ。