国境での攻防
グアテマラからホンジュラスに入国する際の検問で、事件は起きた。
ここらでは、国境を通過するとき、役人が同然のように賄賂を要求してくる。
勿論、払ってやる理由もないので、こちらもあれこれ言って逃れようとする。
腑に落ちないことではあるが、こんなこと日常茶飯事なので、
いちいち気にしていては仕方ない。
だが、この時後ろにいた欧米人が、
「お前は日本人だろう。お金持ってるんだから払えよ」
と横やりを入れてきた。
これにはさすがに頭にきて、こちらも日本語交じりの英語で言い返す。
よくよく向こうの言い分を聞いていると、
キリスト教の教えにでは、富めるものが施しを与えるのが当たり前だ、
ということらしい。
他所の教えがどうであれ、それは僕には関係のないこと。
「オレは仏教徒だ!」
と言ってやった。
一連の騒動を聞いてか、裏から役人たちのボスらしき男がやってきて、
「もう行け」と言って、スタンプを押してくれた。

グリーンカードと宗教
外国を走る際、グリーンカードという、強制保険への加入が義務付けられる。
これには、各国ごとで加入するもの、大陸ごとで加入するものがある。
このグリーンカードの保険料は、宗教によって「区別」されているのだ。
例えば、あるイスラム教国で万が一のことがあったとき、
仏教徒には、ほんの少しの保険金しか支払われないようになっていたことを覚えている。
一方で、キリスト教徒は二番目に高かった。
生まれ育った環境によって、保険料が決められており、
それはまるで、命に値段をつけられているかの如く、「差別」と捉えることすらできてしまう。
宗教感の違いは絶対に分かり合えない課題なんだな、と感じてしまった。
