ポルトベリョからボリビアへ抜けようと考えていたが、
なんとポルトベリョの先で、道路が無くなっているではないか。
仕方ないので、途中まで引き返して、
マナウスからベレンまで、5日かけて船で渡ることにした。

船内は、こんな感じにハンモックが吊るされている。
これが思いの外、快適で楽しかった。
改めて、アマゾン川のスケールの大きさを感じる船旅になった。
船は迷路のように複雑な支流を通り、ベレンに向けて進んでいく。

時々、地元の人がフルーツなどを売りに来る。
この時ボートを漕いでいる子供たちの、操船技術の高さに驚かされる。
自分だったら、船に近づいただけで、即「沈」していることだろう。

ハンモックに揺られながらスローな船旅を、ただのんびりと楽しんでいた。
…しかし、そう易々とは問屋が卸さなかった。
この船旅の、最初にして最大の難関は下船の時であった。
大型二輪の免許はもっているので、一応一本橋には自信があった。
しかし、バイクの積み下ろしで、
横幅50センチの木の板の上を、2メートル渡れと、実にハードな課題を言い渡される。
しかも、真下を流れるは、アマゾン川。
もし落ちたりしたら、まずバイクは助からないだろう。
そう考えると、試験の時より緊張した。

ハイパーインフレ
当時のブラジルでは、大統領が立て続けに変わっていた影響で、
慢性的なデフレに陥っていた。
その結果、デノミネーションを繰り返すことにより、
度々紙幣の価値が変動していた。
そのため、商店に行くと、訳のわからない量の釣銭を渡され、
当の受け取った本人も訳が分かっておらず、
最早それが合っているのか確認しようもない、意味不明な状況だった。
挙げ句の果てには、あまりにも紙幣を沢山渡されるので、
財布に入りきらずに、紙幣を入れる袋を買って持ち歩いていた。
最も多い時で、二袋分の札束を持っていた時もあった。
気分は大金持ちである。

昨日まで10,000クルゼーロだった紙幣が、翌日には10クルゼーロに、
ハンコひとつで変わってしまう。
なんとも大雑把な世界である。
コラム:お金について
僕が旅した30年前、北米では既にクレジットカード決済が可能だったが、
中南米では、まだ普及しておらず、使用できなかった。
なので、当時の現地通貨の入手には、トラベラーズチェックを使っていた。
旅行小切手とも呼ばれ、現金を持ち歩かなくてよいのでとても便利で良かった。
尚、今は日本での発行は行われていないらしい。
また、リスクはあるが、いわゆる「闇換金」にもお世話になった。
正規のレートよりも、だいぶいいレートで交換してくれるので、とてもありがたかった。
国境につくと、必ず闇屋が「チェンジマニー」といって近寄ってきたもの。
現地通貨やら米ドルやらを、ごちゃ混ぜにして渡すと、
闇屋の方も混乱して大儲けさせてもらったこともあれば、
こちらがボーっとしていたところに付け込まれて、だまくらかされたこともある。
いずれにしても、このやり取りが楽しくて、旅の楽しみでもあったのだが。
現在は、カードで引き出すのが一般的らしい。
時代は変わったものだなぁ、と。
